IT用語帳

【情報処理技術者試験】2026年 知っておくべきITトレンドキーワード10選

2026年4月2日
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「最近のIT用語がよくわからない」「試験に出そうなトレンドを押さえたい」という方に向けて、2026年に特に注目すべきITトレンドキーワードを10個厳選しました。いずれもITパスポートから高度試験まで幅広く出題されるテーマです。各キーワードの意味と、試験での出題ポイントをセットで解説します。

1. 生成AI(Generative AI)

テキスト、画像、音声、動画などの新しいコンテンツを自動的に生成できるAI。大量のデータから学習したパターンをもとに、人間が作成したかのようなコンテンツを創造する。ChatGPTの登場以降、ビジネスから教育まであらゆる分野で活用が急速に広がっている。

試験では「生成AIとは何か」という基本的な定義に加え、従来のAI(分類・予測)との違いが問われます。生成AIは「新しいコンテンツを作る」点が特徴で、画像認識や不正検知といった特化型AIとは異なるアプローチです。

関連用語: LLM(大規模言語モデル)、ファインチューニング、プロンプト


2. ハルシネーション(Hallucination)

生成AIが事実に基づかない情報を、あたかも正確であるかのように生成してしまう現象。「AIの幻覚」とも呼ばれる。もっともらしい文章で嘘の情報を出力するため、利用者がそのまま信じてしまうリスクがある。

生成AIの業務活用が進む中、ハルシネーションへの対策は最重要課題の一つです。試験では「ハルシネーションとは何か」「対策としてファクトチェックが必要である」といった出題が想定されます。ヒューマンインザループ(AIの出力を人間が確認する仕組み)とセットで押さえましょう。

関連用語: ファクトチェック、ヒューマンインザループ(HITL)


3. XAI(Explainable AI)

説明可能なAIのこと。AIが導き出した判断や予測の根拠を人間が理解できる形で説明できるAI技術。ブラックボックス化しがちなディープラーニングの意思決定プロセスに透明性を持たせ、信頼性や公平性を確保するために重要性が高まっている。

AIが融資審査や採用選考など、人の人生に影響を与える判断に使われるケースが増えています。「なぜその判断をしたのか」を説明できないAIは、社会的な信頼を得られません。ELSI(倫理的・法的・社会的課題)の観点からも出題されるテーマです。

関連用語: ELSI、AI倫理、バイアス


4. DX(デジタルトランスフォーメーション)

デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセス、組織文化を根本的に変革すること。単なるIT化(紙をデジタルに置き換えるなど)とは異なり、競争上の優位性を確立するための変革を指す。

DXは2026年の試験でも引き続き最重要テーマの一つです。シラバスVer.6.5でも重点項目として位置づけられています。試験では「DXとIT化の違い」「DXを推進するための技術(クラウド、AI、アジャイル開発など)」が頻出です。経済産業省の「DXレポート」で指摘された「2025年の崖」も関連知識として押さえておきましょう。

関連用語: PoC(概念実証)、アジャイル開発、レガシーシステム

過去問実績: R7 ITパスポート 問7でPoCが出題された。DX推進で「まず小さく試す」PoCの概念は頻出。


5. ゼロトラスト(Zero Trust)

「何も信頼しない」という前提に基づくセキュリティモデル。社内外を問わずすべてのアクセスを検証し、最小限の権限のみを動的に付与する考え方。従来の「社内ネットワークは安全」という境界型防御の限界を補完する。

テレワークやクラウド利用の拡大により、「社内=安全、社外=危険」という従来の考え方が通用しなくなりました。ゼロトラストは「Never Trust, Always Verify(決して信頼せず、常に検証する)」を原則とし、セキュリティの新常識として試験でも出題が増えています。

関連用語: 多要素認証、SASE、マイクロセグメンテーション


6. デジタルツイン(Digital Twin)

現実世界の物理的な対象をサイバー空間上にリアルタイムで再現するデジタルコピー。IoTセンサーのデータを用いて仮想空間でシミュレーションを行い、故障予測や最適化に活用する。製造業や都市計画などで導入が進んでいる。

デジタルツインはSociety 5.0が掲げる「サイバー空間とフィジカル空間の融合」を具現化する技術です。試験では「デジタルツインの定義」と「IoTとの関係」が問われます。現実の工場をサイバー空間に再現してシミュレーションを行い、生産効率を最適化するような活用事例をイメージしておくと解答しやすくなります。

関連用語: IoT、センシング技術、サイバーフィジカルシステム(CPS)


7. エッジコンピューティング(Edge Computing)

利用者やIoT機器の近くにサーバを配置してデータ処理を行う方式。クラウドへの通信量を削減し、低遅延でリアルタイム性の高い処理を実現する。自動運転やスマートファクトリーなど、即座の応答が求められる場面で不可欠な技術。

「すべてのデータをクラウドに送って処理する」だけでは、通信の遅延やコストが問題になります。エッジコンピューティングはクラウドの補完技術として、データの発生源に近い場所で処理を行います。試験では「クラウドコンピューティングとの違い」「どんな場面で使われるか」が問われます。

関連用語: クラウドコンピューティング、IoT、フォグコンピューティング


8. RPA(Robotic Process Automation)

定型的な事務作業をソフトウェアロボットにより自動化する技術。データ入力、帳票作成、システム間のデータ転記などの反復業務を人間に代わって処理し、業務効率化とコスト削減を実現する。

RPAは「ロボット」という名前ですが、物理的なロボットではなく、PC上で動作するソフトウェアです。人間がマウスやキーボードで行う定型作業を自動化する点がポイントです。試験では「RPAの定義」「RPAで自動化できる業務の特徴(ルールベースで定型的な作業)」が出題されます。AIと組み合わせた高度な自動化も注目されています。

関連用語: BPR(業務プロセス再設計)、DevOps、MLOps


9. リスキリング(Reskilling)

技術革新や事業環境の変化に対応するため、新たな分野のスキルや知識を習得すること。特にDX推進に伴い、デジタル技術に関するリスキリングの重要性が高まっている。従来のスキルアップ(既存スキルの向上)とは異なり、新しい分野への転換を伴う点が特徴。

政府もリスキリング支援に注力しており、ITパスポートのシラバスにも「リスキリング」が明記されています。試験では「リスキリングとOJT/Off-JTの違い」「DXとの関連」が出題されます。「今の仕事がなくなるかもしれないから新しいスキルを身につける」という文脈で理解しましょう。

関連用語: OJT、Off-JT、DX、人的資本経営


10. Society 5.0

日本が提唱するサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた未来社会の姿。狩猟社会(1.0)、農耕社会(2.0)、工業社会(3.0)、情報社会(4.0)に続く第5の社会として、経済発展と社会的課題の解決を両立する「超スマート社会」を目指す。

Society 5.0はIoT、AI、ビッグデータなどの先端技術を活用して、年齢・地域・言語などの制約を超えた社会を実現する構想です。試験では「Society 5.0の定義」「5段階の社会の名称」「実現に必要な技術(IoT、AI、CPS)」が問われます。特にITパスポートでは頻出テーマです。

関連用語: 超スマート社会、サイバーフィジカルシステム(CPS)、第4次産業革命


まとめ ― 10キーワードの全体像

10個のキーワードは、大きく3つのテーマに分類できます。

AI・データ活用

  • 生成AI — コンテンツを「作る」AI
  • ハルシネーション — 生成AIのリスク
  • XAI — AIの透明性・説明責任

セキュリティ・インフラ

  • ゼロトラスト — 新時代のセキュリティモデル
  • エッジコンピューティング — クラウドの補完技術
  • デジタルツイン — 仮想空間でのシミュレーション

ビジネス・社会変革

  • DX — デジタルによる事業変革
  • RPA — 定型業務の自動化
  • リスキリング — 新スキルの習得
  • Society 5.0 — 日本が目指す未来社会

これらのキーワードは単独で出題されるだけでなく、組み合わせで問われることもあります。たとえば「DXを実現するためにRPAを導入する」「Society 5.0の基盤技術としてIoTとエッジコンピューティングを活用する」といった関連性を意識して学習すると、応用問題にも対応できます。

おわりに

ITトレンドは毎年変化しますが、試験に出題されるのは「社会に定着しつつあるキーワード」です。今回の10語は、2026年の試験で問われる可能性が高いものばかりです。まずはこの10語を確実にして、最新トレンドに強い受験者を目指しましょう。