
【続報】プロフェッショナルデジタルスキル試験のシラバス案が公表 ― 2027年度〜の新試験の中身が見えてきた
2026年6月30日、IPA(情報処理推進機構)がプロフェッショナルデジタルスキル試験のシラバス案を公表しました。これは、2027年度から始まる新試験制度で応用情報技術者試験・高度試験に代わって新設される試験です。3月末の制度見直し発表に続く「続報」として、いよいよ試験の中身が具体的に見え始めました。本記事で最新情報を整理します。
おさらい:プロフェッショナルデジタルスキル試験とは
2026年3月31日にIPAが正式発表した試験制度見直しにより、現行の応用情報技術者試験と高度試験9区分は2026年度で終了し、2027年度からは新試験へと再編されます。その中核となるのが「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」です。
従来の「職種別」の区分から、「何ができるか」というスキルベースの評価へ移行するのが大きな特徴で、以下の3区分に大括り化されます。
| 区分 | 略称 | 主に対応する現行試験 |
|---|---|---|
| マネジメント | PD-M | ST・PM・SM・AU |
| データ・AI | PD-D | DB + データ/AIの新領域 |
| システム | PD-S | SA・NW・ES・SC の一部 |
今回公表されたのは「科目B」のシラバス案
今回(2026年6月30日)公表されたのは、以下2区分の科目B(技能)シラバス案です。PDF形式で掲載されています。
- プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称) 科目Bシラバス案
- プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称) 科目Bシラバス案
一方、データ・AI区分は「準備中」とされており、シラバス案はまだ公開されていません。IPAは「公表時点の検討状況に基づくものであり、変更する可能性がある」としたうえで、完全な掲載は2026年度夏頃を目途と案内しています。
つまり現時点では、新試験の「実践スキルをどう問うか」の輪郭が、マネジメント・システムの2区分で先行して見えてきた段階です。
各区分の科目Bで問われること
3月末に公表された出題範囲改定案(Ver.1.0)と合わせて読むと、各区分の科目B(技能)で問われる方向性が見えてきます。
PD-M(マネジメント)科目B
- 組織及びビジネスの変革・デジタル戦略 — ビジネスモデル・ビジネスプロセスのデザイン、イノベーションマネジメント
- サービスマネジメント — 事業関係管理、サービスレベル管理、変更管理、インシデント管理
- プロジェクトマネジメント — プロジェクト組織、計画、実行・管理・終結のプロセス
- 組織のガバナンス・監査 — ガバナンス・内部統制、情報セキュリティや新技術(AIほか)の利用に関する監査
現行のST・PM・SM・AUを横断する内容で、「マネジメント人材」としての総合力が問われます。
PD-S(システム)科目B
- システムアーキテクチャ — 業務要件・機能要件・非機能要件の定義、クラウド活用、アーキテクチャ設計
- ネットワーク — ネットワーク基盤の設計(冗長化含む)、構築、運用、トラブル対応
- フィジカルコンピューティング — IoTを含む組込み・制御システムのソフト/ハード設計
- システムの開発・運用 — 設計・実装・インテグレーション、アジャイル開発、CI/CD、DevSecOps、AI駆動開発、SRE
現行のSA・NW・ESを横断し、クラウド・アジャイル・DevSecOps・AI駆動開発といった現代的な開発手法が明確に盛り込まれています。
PD-D(データ・AI)※準備中
シラバス案は未公開ですが、改定案では以下のような方向性が示されています。
- データマネジメント — データ戦略、データアーキテクチャ、データガバナンス、データ品質の評価・改善
- データ・AIの活用 — データ分析、BIツールの活用、生成AI技術の適用、AI倫理の考慮
- データエンジニアリング — データモデルの作成、データ基盤・パイプラインの設計・構築・運用
- データ処理とアルゴリズム — CRUD操作、データ構造とプログラミング
現行のDBを土台に、データエンジニアリングや生成AI活用まで踏み込んだ、新時代の花形区分になりそうです。
今後のスケジュール
- 2026年6月30日: マネジメント/システムの科目Bシラバス案を公開
- 2026年度夏頃(目途): シラバス案の完全掲載(データ・AI区分を含む)
- 2027年度: 新試験制度スタート(プロフェッショナルデジタルスキル試験の運用開始予定)
シラバスは「検討状況に基づく案」であり、今後変更される可能性があります。最新情報はIPA公式サイトで随時確認しましょう。
受験者への影響
新試験を狙う人
マネジメント・システムの2区分については、科目Bで問われる技能の方向性が見えてきました。特にシステム区分では、クラウド・アジャイル・DevSecOps・AI駆動開発など現代的な開発スキルが重視されます。従来の職種別知識に加えて、これらの横断的スキルを意識した学習が有効です。
現行試験を狙う人
現行の応用情報技術者試験・高度試験9区分は2026年度が最後です。「ネットワークスペシャリスト」「データベーススペシャリスト」といった現行の区分名で合格証を取得したい方は、2026年度中の受験がラストチャンスとなります。
新旧いずれを選ぶにしても、問われる知識の本質は大きく変わりません。データマネジメント・AI・セキュリティといった新時代の重点分野は、今のうちから触れておいて損はありません。
出典
おわりに
3月末の制度見直し発表から3か月、いよいよ新試験の具体的な中身が見え始めました。「職種別」から「スキルベース」への転換という大きな方向性が、シラバス案という形で少しずつ現実になっています。新制度の全容が固まるのは2026年度夏頃の見込みです。続報を追いながら、自分に合った受験時期と学習計画を考えていきましょう。
この記事は2026年6月30日時点の情報に基づいています。シラバス案は今後変更される可能性があります。最新情報はIPA(情報処理推進機構)公式サイトをご確認ください。
